売上総利益
いわゆる「粗利(あらり)」——売上から原価を引いた“商品で稼いだ分”
売上総利益=売上高 − 売上原価 を指します。英語では Gross Profit。商品やサービスを売って得た金額から、仕入や材料などの原価を差し引いた“第一段階の利益”で、店舗の稼ぐ力を測る基本指標です。
例)月商300万円、売上原価180万円 → 売上総利益120万円(粗利率40%)。
フランチャイズでの扱い――ロイヤルティ計算の“基礎”になりやすい
多くのフランチャイズでは、ロイヤルティ(本部への対価)の算定基礎として売上総利益が使われます。ただし、ここでいう「売上総利益」の定義は契約ごとに異なるのがポイントです。とくに次の扱いで、実際の手取りが変わります。
- 廃棄・棚卸差異(ロス)の位置づけ
値引きや賞味期限切れ等のロス原価を“売上原価に含める”のか、“別費目で加盟店負担”にするのかで、ロイヤルティの対象額が変動します。 - 値引・クーポン・リベートの反映
セール値引やメーカーリベート、販促補助金を粗利に加減算するかはチェーンで差があります。
同じ“粗利40%”でも、ロスや値引の扱いひとつでロイヤルティ後の手取りが数万円単位で変わることがあります。
かんたん試算例(イメージ)
- 売上 300万円/実仕入 180万円/廃棄ロス原価 10万円/ロイヤルティ率 45%
- A契約:粗利=(売上−実仕入−ロス)=110万円 → ロイヤルティ 49.5万円
- B契約:粗利=(売上−実仕入)=120万円(ロスは別費目)→ ロイヤルティ 54万円
同じ売上でも、計算式の違いで手残りが変わります。
契約前に必ず確認したいこと(最小限)
- 「売上総利益」の定義(ロス・値引・リベート・指定資材の扱い)
- ロイヤルティの計算式(粗利歩合か固定額か、最低保証の有無)
- 精算書のサンプル(どの費目がどこで控除されるかを実物で確認)
まとめ
売上総利益は“お店が商品でどれだけ稼げたか”を映す鏡です。フランチャイズではこの鏡に何を映すか(定義)がチェーンごとに違います。ロイヤルティの話だけに気を取られず、粗利の作り方と計算式を自分の言葉で説明できるまで確認してから契約に進みましょう。それが、開業後の「思っていた手取りと違う」を防ぐいちばん確実な方法です。