商号

商号とは、会社や法人の正式な名称のことを指します。たとえば「株式会社○○」「合同会社○○」などのように、会社の種類(株式会社・合同会社など)とともに記載されるのが一般的です。

この商号は、会社を設立する際に法務局へ登記され、税務申告、請求書の発行、契約書の記載など、法人としてのすべての取引や手続きにおいて使用される正式な名称となります。

商号の表記ルールと変遷

かつては、商号に使える文字に制限がありました。2002年10月31日までは商業登記規則により、商号にアルファベット(ローマ字)やアラビア数字、記号(例:&、@など)を使うことは認められていませんでした。

しかし、2002年11月1日から規則が改正され、以下のような表記も可能になりました。

  • ローマ字(例:ABC、Tokyo)
  • アラビア数字(例:123)
  • 一部の記号(例:&(アンド)、・(中点)、’(アポストロフィ)など)

これにより、ブランディングや国際展開を見据えた柔軟な社名の設定ができるようになり、実際に英語表記を含む商号を採用する企業も増えています。

フランチャイズとの関連

フランチャイズにおいては、加盟者が法人として開業する場合、この「商号」で契約書を交わすことになります。本部との契約や税務処理、口座開設などすべての手続きは、商号で登録された正式な社名で行われるため、登記内容と書類記載を正確に一致させる必要があります。

また、フランチャイズ本部が許諾する店舗名やブランド名(=商標)とは異なるため、「商号」と「屋号・店舗名」の使い分けにも注意が必要です。

まとめ

商号は、法人としての「顔」となる正式な名称です。登記後はあらゆる取引・申請の場面で使用されるため、分かりやすく、信用を得やすい名前を選ぶことが大切です。
現在では、ローマ字や数字を使ったスタイリッシュな商号も可能となっており、企業のイメージ戦略の一環としても活用されています。