リーチインケース(リーチイン)

リーチインケースとは、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどでよく見かける、ガラス扉付きの冷蔵・冷凍ショーケースのことです。
ペットボトル飲料、牛乳、冷凍食品、アイスクリームなどが並べられており、お客様がガラス扉を開けて商品を取り出すスタイルが特徴です。

「リーチイン(reach-in)」という名前は、扉越しに手を伸ばして商品を取る動作に由来しています。

ウォークインケースとの違い

最近では、多くの店舗で「ウォークインケース」が採用されています。
これは、お客様が冷蔵室の中に入って商品を選ぶタイプで、ビールやチルド食品コーナーなどで見られます。

種類特徴
リーチインケース商品の前面にガラス扉があり、手を伸ばして取る
ウォークイン小部屋のような空間に入って、自分で商品を選ぶ

リーチインは「取り出す」、ウォークインは「入って選ぶ」という使い分けがポイントです。

リーチインケースの設置位置と役割

リーチインケースは、多くの場合、店内の最奥部(奥の壁面)に設置されます。
これは、単に商品の冷蔵保存のためだけでなく、お客様の動線(店内を歩くルート)を設計するための戦略的な配置でもあります。

このような配置には、以下のような意図があります:

  • 店内を奥まで歩いてもらうことで、他の商品にも目を向けてもらう
  • お客様の回遊性を高めて、ついで買いを促す
  • お店の奥に「目的の商品」を置き、集客ポイントにする

このように、リーチインケースは「冷蔵棚」というだけでなく、店舗設計における“マグネット(磁石)”の役割を果たしています。

リーチインケースのメリット

リーチインケースには、以下のようなメリットがあります:

  • 省スペースで設置できる
     店舗の壁面を有効活用でき、売場面積を広く保てます。
  • 商品が見やすく、手に取りやすい
     ガラス扉を通して中の商品が見えるため、視認性が高く、購入の判断がしやすいです。
  • 省エネ効果
     ガラス扉で冷気を逃がしにくく、電気代の節約にもつながります。

現在の主流はウォークイン?それでもリーチインが選ばれる理由

近年は大型化・多品目化により、ウォークインケースを採用する店舗が増えています。
ただし、以下のような場面では、リーチインケースが今でも多く活用されています:

  • 省スペースな店舗(駅ナカやミニ店舗など)
  • 冷凍食品やアイスクリームなど短時間で選ばれる商品
  • ガラス越しでしっかり商品を見せたい場面

つまり、店舗の規模や業態、商品の特性に応じて、リーチインとウォークインが使い分けられているのです。

まとめ:リーチインケースは商品とお客様をつなぐ「視覚の窓」

リーチインケースは、商品を冷やして保管するだけでなく、お客様に商品を見せて、手に取らせるまでの大切な接点です。
また、店舗全体の動線設計や売上にも大きな影響を与える存在です。

限られたスペースの中でも最大限に商品をアピールできるこの設備は、今もなお多くの現場で重要な役割を果たしています。