廃棄ロス
廃棄ロスとは、賞味期限切れや売れ残り、破損、品質劣化などの理由により、販売できず廃棄せざるを得なくなった商品の損失を指します。フードロス(食品ロス)の一種でもあり、主に小売業や外食産業における経営課題の一つです。
実例と課題
特にコンビニエンスストアにおいては、弁当や総菜、サンドイッチ、デザートなどの消費期限が短い商品が多数並ぶため、廃棄ロスが深刻な問題となっています。来店客に多様な選択肢を提供し、売り場に活気を持たせるためにはある程度の商品数を常時陳列する必要がありますが、過剰な在庫はそのまま廃棄ロスにつながる可能性があります。
一方で、陳列数を減らせば品切れや選択肢の少なさによって売り上げを取りこぼすリスクがあり、「機会損失」と「廃棄ロス」のバランスはオーナーや店長にとって非常に難しい判断を求められる要素です。
フランチャイズとの関連性
廃棄ロスは、単なる商品ロスにとどまらず、フランチャイズ本部とのロイヤリティの算出方法にも影響を与えます。
過去には、販売されなかった廃棄商品の仕入原価分もロイヤリティ算出対象に含まれることに対して、加盟店が訴訟を起こしたケースもあり、フランチャイズビジネスにおけるロイヤリティ制度の透明性や妥当性が社会的に議論されました。
廃棄ロスの低減に向けた取り組み
近年では、廃棄ロスを削減するために以下のような工夫が行われています。
- 需要予測の精度向上(POSデータ活用、AIの導入など)
- 販売期限間近商品の割引販売(見切り)
- 食品寄付やフードシェアリングの仕組み導入
- 小ロット・多頻度の仕入れ体制構築
また、本部による発注支援システムや、廃棄ロスに対して一定の補助を行う仕組みが導入されているケースもあります。
まとめ
廃棄ロスは、店舗経営における損益に直結する重要な指標であり、環境問題や社会的責任の観点からも注目を集めています。フランチャイズ本部と加盟店の間で適切なコスト配分とリスク共有がなされることが、持続可能なチェーン経営のカギとなります。