公正取引委員会

独占禁止法を運用する独立機関。フランチャイズの公正性も監督する

公正取引委員会(JFTC)は、独占禁止法の運用・執行のために設置された行政委員会。委員長と4名の委員で構成され、いずれも他の機関からの指揮監督を受けずに独立して職務を行う。企業結合審査やカルテル・入札談合の摘発に加え、優越的地位の濫用など取引現場の不公正も対象とする。

フランチャイズ分野では、「フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方(ガイドライン)」を公表し、本部と加盟店の取引で何が問題になるかを示している。たとえば、加盟勧誘時の重要情報の不十分な開示や、誤解を招く収益表示、過度な仕入先・価格の拘束、利益を一方的に削る負担転嫁などは、状況によって独禁法上の問題となり得る。

主な権限

  • 調査と措置:資料提出命令、立入検査、事情聴取を通じて事実関係を確認し、必要に応じて排除措置命令や課徴金納付命令を行う。重大事案は刑事告発の対象となる。
  • 指針の提示と啓発:ガイドラインや事例公表で、企業の法令遵守を促す。

フランチャイズ事業者が意識すべき点

本部は、勧誘・契約・運営の各段階で情報の透明性と合理的な取引条件を担保することが不可欠。加盟希望者・加盟店は、契約前に収益モデルの前提、ロイヤルティや拘束条件の根拠、仕入やシステム指定の必要性と代替可能性を確認し、疑義があれば文書で照会する。ガイドラインが示す「合理的な範囲」を外れた慣行は、法的リスクだけでなくブランドの信頼を損なう。