サブ・フランチャイズ(エリアフランチャイズ制)
サブ・フランチャイズとは、フランチャイズ本部(マスターフランチャイザー)が、ある地域(エリア)に限定してフランチャイズ権を他の事業者に譲渡する仕組みのことです。
この制度は「エリアフランチャイズ制」とも呼ばれ、広域展開を効率的に進めるために使われる代表的な手法です。
譲渡された事業者は「サブ・フランチャイザー」となり、本部の代わりにそのエリア内でのフランチャイズ展開を担当します。
仕組みの概要
フランチャイズ本部は、以下のような契約をサブ・フランチャイザーと結びます:
- 特定地域(例:関西エリア、○○県など)におけるフランチャイズ展開権を付与
- 加盟店開発・契約・営業指導の一部またはすべてを委ねる
- サブ・フランチャイザーから対価(契約金やロイヤルティの一部)を受け取る
これにより、本部は全国展開の手間を軽減しながら、地域密着型の事業拡大が可能となります。
サブ・フランチャイザーの役割
サブ・フランチャイザーには、以下のような「本部に近い機能」が与えられます(一部制限あり):
- 自エリア内でのフランチャイズ加盟希望者の募集・契約交渉
- 加盟店に対する出店支援、研修、SV業務などの営業サポート
- 加盟金・ロイヤルティの徴収(全額または一部)
- 地域戦略の立案・売上管理・トラブル対応
サブ・フランチャイザー自身が直営店舗を持つケースも多く、そのエリア内でリーダー的役割を果たします。
導入のメリット
フランチャイズ本部にとって:
- 地域ごとの開発・指導業務を分担できる
- 地域特性に応じた柔軟な展開が可能
- スピード感をもって多店舗化を図れる
サブ・フランチャイザーにとって:
- 独立したエリア運営権を得て、自らの裁量で事業を展開できる
- ロイヤルティ収入などの継続収益を得られる
- 地域のネットワークや不動産情報を活かせる
加盟希望者にとって:
- 地元に精通した担当者(サブ・フランチャイザー)から密な支援を受けられる
- 出店相談からオープン後のフォローまでの対応がスムーズ
注意点とリスク
サブ・フランチャイズ制には多くのメリットがありますが、以下のような注意点も存在します:
- 本部とサブ・フランチャイザーの間でブランドや方針の統一が必要
- エリア間でサービスや指導内容のばらつきが出るリスク
- 加盟者にとって「本部なのかサブFCなのか」が曖昧になるケースがある
- 責任範囲(契約権限・収益分配など)を明確に契約書に定める必要がある
特に、トラブルやクレーム発生時に「どこが対応するのか」が不明瞭な場合、信頼低下や運営トラブルの原因になりかねません。
まとめ
サブ・フランチャイズ(エリアフランチャイズ制)は、広域なフランチャイズ展開において、地域の事業者と協力しながら効率的に成長するための有効な戦略です。
本部とサブ・フランチャイザーの間で権限と責任を適切に分担し、地域特性に合わせた運営を行うことで、加盟者へのサポート体制もより充実します。
加盟を検討する際は、自分の出店予定地域が「本部直轄か、サブFCが担当か」を確認し、契約相手・支援体制の違いを理解したうえで判断することが重要です。