経済産業省が中小小売商業振興法施行規則の一部を改正することを発表
2021年4月8日
経済産業省は、2021年4月1日(木曜日)、中小小売商業振興法施行規則の一部を改正することを発表しました。これによって追加される内容は「加盟者の店舗のうち、周辺の地域の人口、交通量その他の立地条件が類似するものの直近の三事業年度の収支に関する事項」というもので、1年後の2022年4月1日から施行されます。
【経済産業省発表の記事】
https://www.meti.go.jp/press/2021/04/20210401006/20210401006.html
(参考)中小小売商業振興法(特定連鎖化事業に係る規定)の概要
今回の改定によって、中小小売商業振興法に追加される具体的な内容は、以下の内容になります。
追加される項目
加盟者の店舗のうち、周辺の地域の人口、交通量その他の立地条件(次条において単に「立地条件」という。)が類似するものの直近の三事業年度の収支に関する事項事項:
当該特定連鎖化事業を行う者が把握している加盟者の店舗に係る次に掲げる項目に区分して表示した各事業年度における金額((6にあっては、)項目及び当該項目ごとの金額 )内容:
イ)
(1)売上高
(2)売上原価
(3)商号使用料、経営指導料その他の特定連鎖化事業を行う者が加盟者から定期的に徴収する金銭
(4)人件費
(5)販売費及び一般管理費((3)及び(4)に掲げるものを除く。)
(6)(1)から(5)までに掲げるもののほか、収益又は費用の算定の根拠となる事項ロ)
出典:METI/経済産業省
立地条件が類似すると判断した根拠
https://www.meti.go.jp/press/2021/04/20210401006/20210401006-1.pdf
ポイントは「加盟者の店舗のうち、周辺の地域の人口、交通量その他の立地条件(次条において単に「立地条件」という。)が類似するものの直近の三事業年度の収支に関する事項」に関する内容を、書面で提示することを義務付けられている部分です。経済産業省が行った加盟店オーナーへのヒアリングや、2020年に発表した「新たなコンビニのあり方検討会」報告書などの内容をふまえた改定となっています。
フランチャイズ本部としては、店舗ビジネスとしては実際にオープンしてみないとわからない要素も多いため、書面で残すことは難しく、非公開であったりや実際の面談などでは社外秘資料として「見せる程度」でした。
今回の改定は、大きく踏み込んだものとなっています。コンビニなど、店舗展開を中心とするフランチャイズ本部としては、より高精度な売上や収益のモデルケース、該当立地でのシミュレーションを行う必要がでてきました。
営業時間、値引き対応、人手不足、ロイヤリティ、ドミナント出店など課題は多く残されていますが、加盟店保護を一層深めるという点でこのような改定になったと考えられます。
まだまだ、日本のフランチャイズビジネスには、諸外国と比べると整備が行き届いていない部分もあり、グローバル化、働き方の多様化、フリーランスの保護などを考えると、今後も同様の法整備が実施されるのではないでしょうか。
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