製品・商標型フランチャイズ
製品・商標型フランチャイズとは、本部(フランチャイザー)が加盟店(フランチャイジー)に対して、商標(ロゴやブランド名)と製品のみを提供するタイプのフランチャイズ方式です。販売ノウハウや運営マニュアル、教育プログラムなどは提供されず、店舗運営や販売方法は加盟店側の裁量に委ねられます。
この形式は、1920年代のアメリカで広まった飲料ボトリング業(清涼飲料水の瓶詰め・販売など)をはじめ、自動車やガソリン、家電、タバコなどの分野で普及してきました。
通常のフランチャイズとの違い
フランチャイズには大きく分けて2つのタイプがあります。
- 製品・商標型フランチャイズ
本部から提供されるのは「商品」と「ブランド(商標)」のみ。販売方法や運営は加盟店が自由に決める。 - ビジネスフォーマット型フランチャイズ
商品や商標に加え、販売ノウハウ・店舗運営方法・マニュアル・教育支援なども含まれる。飲食や小売、美容などで主流。
製品・商標型は、いわば「商品とブランドを預ける代わりに、売り方は任せる」スタイルです。一方で、ビジネスフォーマット型は「売り方まで一式パッケージ化して提供する」スタイルです。
製品・商標型が向いている加盟店とは?
このフランチャイズ方式は、販売ノウハウや営業ルートを自社で持っている事業者に向いています。たとえば、すでに流通網を確保している卸売業者、小売チェーン、地域の有力販売店などです。
本部は、自社の商品と商標を広く展開することができ、加盟店はそのブランド力を活かして販売活動を行えます。ただし、接客方法や店内レイアウト、スタッフ教育などは基本的に加盟店に一任されるため、事業経験が浅い人や初心者には不向きな形式とも言えます。
メリットと注意点
【メリット】
- 加盟店の自由度が高く、自社のスタイルで販売できる
- 本部のブランド力や製品力を活用できる
- 独自の販路を活かして事業拡大がしやすい
【注意点】
- 販売方法は自ら考える必要がある
- 成果は加盟店の営業力・経験に左右されやすい
- サポート体制がビジネスフォーマット型よりも薄い
まとめ
製品・商標型フランチャイズは、「売る力」と「販路」をすでに持っている事業者向けのフランチャイズ形式です。商品やブランドの強みを活かしながら、運営スタイルは自分で決められるため、自由度が高い反面、支援が少ない点には注意が必要です。
これからフランチャイズに加盟する場合は、自身の経験や経営力に応じて、製品・商標型かビジネスフォーマット型かを見極めることが大切です。