- 2025.08.15
【2025年度 最新版】フランチャイズで副業する理由とメリット、デメリット

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副業は「一部の人」から「当たり前」へ
近年は、企業も個人も副業への姿勢が大きく変わりました。リクルートのジョブズリサーチセンターによる「兼業・副業に関する動向調査2024」では、従業員の副業を認める制度がある企業は60.7%に達しています。社外人材の受け入れも53.7%まで拡大し、「副業を前提に制度を整える企業」が過半になりました。
(引用 ジョブズリサーチセンター:https://jbrc.recruit.co.jp/data/data20250529_3778.html)
一方で、実際に副業をしている人の比率は調査によって幅があります。総務省「就業構造基本調査(2022)」では、副業がある人は305万人(非農林業従事者の4.8%)。正社員に限ると2.5%ですが、2017年からは上昇傾向です。
つまり「会社は認める方向に進んだが、個人の実施はこれから伸びる余地が大きい」という段階です。
(引用 総務省統計局:https://www.stat.go.jp/data/shugyou/2022/pdf/kgaiyou.pdf)
この環境で、“フランチャイズで副業”は、未経験でも始めやすく、再現性の高い選択肢として存在感を増しています。
フランチャイズで副業をするメリット

ここで、副業でフランチャイズ加盟をするメリットを考えてみたいと思います。
1. 成功モデルをそのまま使える
フランチャイズ本部(フランチャイザー)が検証済みの商品・オペレーション・集客手法を、加盟店(あなた)がライセンス費用(加盟金)とロイヤルティを払って利用する仕組みです。ゼロから「何を売るか」「どう売るか」を設計する負担が小さく、スタート直後のつまずきを回避しやすくなります。
2. 研修と現場サポートで“未経験”でも動ける
開業前研修で接客・衛生・会計・広告運用などを学ぶことができます。また、開業後はSV(スーパーバイザー)が運営を伴走します。時間が限られる会社員でもスムーズに運営しやすい点が強みです。
3. 仕入・ITの“スケールメリット”
単独開業だと高額なPOS(レジ・売上管理システム)や設備、什器が、本部契約で割引料金で使える場合があります。仕入も本部一括のため原価を抑えやすいというメリットがあります。
4. 「副業を続けやすい」運営設計がしやすい
顔認証入退館や遠隔監視カメラ、モバイルオーダーなどの省人化テクノロジーが普及し、オーナー自身の稼働を週10時間以内に抑えることも可能なフランチャイズもあります。
デメリットと注意点
1. 加盟金・ロイヤルティ
ロイヤルティは売上連動(例:売上の◯%)または月額固定が一般的です。売上が下振れたときも固定費としてかかるため、ワーストケースで黒字化を必ず試算してください(損益分岐点=固定費÷〔1−変動費率〕)。
2. ブランドの制約
メニュー・価格・仕入れ先・広告表現などに本部の承認が必要です。「自由に変えたい」よりも“決まった型を磨くことに価値がある”人向きです。
3. 契約期間・中途解約
契約は3〜10年が一般的です。途中解約で違約金が発生する条件もあります。競業避止義務(契約終了後の同業禁止)も範囲・期間を要確認してください。契約・法務は公正取引委員会の「フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方」と中小企業庁のフランチャイズ契約の留意点を手元に、法定開示書面を読み込みましょう。
(参考:中小企業庁 フランチャイズ契約の留意点)
(参考:公正取引委員会 フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方)
「フランチャイズ副業」が向く人・向かない人
向く人:「型を守りながら改善するのが得意」「数字(KPI)で考える」「週10時間を捻出できる」。
向かない人:「メニューや価格を自由に決めたい」「短期で回収したい」「契約を読むのが苦手」。
2025年に“始めやすい”代表ジャンル
アドバイザー型(結婚相談・ビジネス支援 など)
設備投資が小さく在宅運営が可能です。顧客面談はオンライン中心にでき、平日夜・週末に稼働を寄せられます。スキルというより対話力・伴走力が武器になります。
ポイント:集客はSNS広告・ウェビナー・紹介が柱。成約率・リピート率を毎月可視化してください。
投資型(コインランドリー・トランクルーム など)
省人化の進展で時間を取りにくい会社員に人気なビジネスモデルです。
[コインランドリー]
市場はおおむね1,000億円規模で堅調に拡大しています。キャッシュレス・IoT搭載機で遠隔監視・売上把握が容易という点もメリット。立地(住宅密集地・駐車可)と競合距離が勝負どころです。
[トランクルーム]
2024年に約850〜878億円規模、2025年は917億円予測と成長中です。無人運営・スマートロックで工数が小さく、空室率と賃料相場で利回りが決まります。
実務型(ハウスクリーニング・修理/リペア など)
自己資金が少なくても着手しやすいという点が最大のメリット。本部研修で技術を習得し、単価を上げると収益が安定します。営業を本部が支援するチェーンもあります。
早期にスタッフを採用し育てることで、オーナー自身が稼働時間が少なくなります。
ポイント:繁忙期(年末・引越し期)とオフ期のメニュー(小口定期・セット商品)をセットで設計しましょう。
よくある疑問に先回りで回答
Q.「加盟金0円」「ロイヤルティなし」は本当にお得ですか?
加盟金がゼロでも、初期講習費・保証金・広告分担金・システム利用料など別費目がある場合があります。また、ロイヤルティなしでも商材マージンで徴収されるモデルもあります。総コスト(初期+毎月)で比較しましょう。
Q. 本業に知られずに運営できますか?
会社規定の確認と副業届が基本です。確定申告後の住民税は「普通徴収」にすると本業の給与天引きに混ざりません。就業時間や情報管理の観点から、会社と合意形成して進めるのが安全です(詳細は社内規定を要確認です)。
Q. 何から始めればいいですか?
①自己分析(時間・資金・得意)
②業態候補の収支シミュレーション
③本部資料/法定開示の精読
④既存オーナー面談
⑤最悪ケースでも黒字を確認
の順が一般的です。
最後に――“型を借りて、数字で守る”
副業フランチャイズは、「実証済みの型」×「あなたの時間設計」で勝負するビジネスモデルといえます。
副業を認める会社が増え、省人化テクノロジーも揃いました。けれど、ここで大事なのは“勢い”ではなく数字です。売上は客数×客単価×来店頻度。費用は固定費と変動費。損益分岐点とキャッシュの底(いくらまで耐えられるか)。この四つを自分の言葉で説明できれば、多少のブレは怖くありません。
契約も同じです。ロイヤルティの計算式、中途解約の条件、競業避止の期間などを入念に検討しましょう。気になる条項は専門家に聞き、「なぜそうなるのか」を腹落ちさせてから契約することをおすすめします。わからないまま進むと、あとで自由度もお金も削られます。
型を借りる。数字で守る。時間で磨く。——この流れに乗せれば、副業は“お小遣い稼ぎ”ではなく、あなたのキャリアと資産を育てるもう一本の柱になる可能性があります。