フランチャイズで独立しても競業になるの?競業避止義務とはどんな法律?

2021年4月6日

独立しようと思っても、収入、家族、体力など、様々な不安要素があります。特に法律など知識に関する不安は、開業後も尽きない悩みのひとつではないでしょうか。

今回ご紹介するのは、競業避止義務(きょうぎょうひしぎむ)という、在籍していた企業と同業種で開業する場合に知っておくべき法律です。

どういった法律なのか、押さえておくべきポイント、トラブルを回避するめの方法をご紹介します。

競業避止義務(きょうぎょうひしぎむ)とは?

従業員がもともと勤めていた企業の同業種へ転職または起業し、企業の競合となり、営業や利益を要害することを禁止する法律です。

企業が持つ独自の営業ノウハウや技術が外部に流出してしまうと、その企業は大きな損害を受けてしまう場合があります。そういったリスクを防ぎ、企業を守るために定められています。

近年では、機密情報を取り扱う役職者だけでなく、一般社員やアルバイト、パートタイマーも対象となるケースが増えてきており、入社時または退職時に契約書とは別に、誓約書への同意を求められる場合があります。

競業避止義務で注意するべき4つのポイント

競業避止義務に抵触するかの判断は裁判所で行われます。過去の判例や取り交わした契約書の内容、日本国憲法第22条第1項で定められている「職業選択の自由」を基準に判断されます。
これから上げる4つのポイントをおさえておくことで、リスクを最小限に抑えることが出来ます。

在籍していた企業の営業活動を要害していないか

営業活動を要害しているかどうかは、もともと勤めていた企業で得たノウハウが、どのように扱われていたかがポイントとなります。その企業独自の技術として持ち出し禁止など、社外秘として管理されている場合は要注意です。

そのノウハウが会社独自の技術や利益を生み出すための独自の方法である場合、この法律により、保護されるべきものと判断されるケースが多いです。

企業が社外秘としている資料やデータの外部流出、コピー商品製造および販売、企業のノウハウを持ち出して競合他社に情報提供をしたり、売却したりすることは、企業の利益を妨害する行為とみなされ、競業避止義務に抵触します。

同業種へ開業する際の期間制限はないか

会社を退職後、一般的には半年~1年間、同業種において開業をする事を禁止している場合があります。契約によっては2年以上規制をする企業もあります。

日本国憲法では「職業選択の自由」が憲法の中で定められています。もし、企業と交わした誓約書内の制限の期間が非合理的で、憲法に反していると判断される場合は、誓約書の制限を回避して開業することができます。

競業する上での禁止事項はないか

企業によっては特定の競業行為を禁止するという、独自の取り決めをする場合があります。例えば、既存顧客との取引。在籍中に顧客であった取引先に対して、開業後に取引することは、在籍していた会社の利益に影響を及ぼすと判断されることがあるので、既存顧客との取引は控えましょう。

「職業選択の自由」という観点からは、同業種での開業は問題ないので、新規で獲得して事業を広めていくことは、競業避止義務には抵触しないと判断されることが多いです。

エリア制限による規制はないか

企業が、営業を得意としている地域での、競業を禁止する場合があります。不当に広い範囲を制限している場合は、職業選択の自由を侵害していると判断されることもあります。

開業する上で競業避止義務のトラブルを回避するためには?

開業する業種が別業種であれば問題ありませんが、在籍していた企業と同じ業種の場合、競業避止義務に抵触しないように対策しながら独立準備を進めていく必要があります。

競業避止義務に抵触していないか、誓約書の内容をもう一度確認する

企業と取り交わした誓約書を見返しましょう。誓約書に記載されている競業避止義務や秘密保持義務に署名している場合は、そこに記載されている禁止事項を侵すことはできません。

在籍期間中に開業準備を行う場合、就業規則に関しても内容を確認し、その内容に違反しないように準備を進めましょう。

在籍していた企業に競業避止義務について直接確認する

準備を進めていく中で、競業避止義務に抵触しているかが不明確な場合は、一度企業側と直接話し合いをしましょう。

具体的に事業を行える範囲や、営業の妨げにならないエリア選定など、明確に線引きをしておくことで、開業後におけるトラブルを回避することが出来ます。

弁護士に相談してみる

企業と話し合いをしても、知らないところで競業避止義務に抵触してしまっているなど、細かい部分で判断できない場合があります。

弁護士に相談することも視野に入れておけば、法的な面からのアドバイスを受けることができるので、明確にしたい場合は一度相談してみましょう。

今までのスキルを最大限活用するなら、フランチャイズで独立するのも選択肢のひとつ

そもそも開業して成功するかが不安な場合、FCに加盟して独立することもひとつの手段です。独立における不安を相談することもでき、本部の今まで培ってきたノウハウを活用した経営も可能なため、メリットが多くあります。

その他にも、フランチャイズには経験豊富な人からアドバイスをもらえたり、オーナー同士での繋がりが出来たり、一人では得ることのできない情報や経営のノウハウ、スキルアップすることが可能です。

フランチャイズで開業するならまずは契約内容の確認から

日本には1,000以上のフランチャイズ本部があり、様々な形で独立開業することが出来ます。したがって、その契約方法や内容は本部ごとに異なります。

会社を辞めて、初めて開業する場合、どうしても費用的なリスクはおさえたいもの。「初期費用が低価格で始められる」と謳った本部ももちろんあり、実際に開業資金をかけずにスタートすることも可能です。

しかし、その代わりにロイヤリティが高く設定されていたり、仕入れに制限があったりと、事業をすぐに軌道に乗せないと、経営を続けていくこと自体が難しくなるケースもあります。安く始められるからと、安易に契約書にサインする前に、契約内容をきちんと確認し、納得した上で契約しましょう。

フランチャイズの見つけ方がわからない場合は「良いフランチャイズの見分け方(フランチャイズ本部の情報収集)」をご参考ください。

FCに加盟して開業するのも、会社を作るのもどちらも独立には変わりません。しっかりと準備をして開業することをお勧めします。

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