フランチャイズ用語集 や行

  • ユニット

    フランチャイズビジネスにおいて、「ユニット(unit)」とは、1つの営業拠点や事業体(=フランチャイズ加盟店舗)を数えるための基本単位です。日本では以前から「○○店舗」といった言い方が一般的でしたが、これは主に小売業や飲食業など、実店舗を構えるビジネスモデルに限ったものでした。

    しかし近年、以下のような非店舗型業態(無店舗販売やサービス型)のフランチャイズが増加しています:

    • ハウスクリーニング
    • 訪問介護
    • 宅配専門飲食
    • 通信販売(EC)
    • 移動販売 など

    こうした業態では「店舗を持たない」ことが多いため、「店=ユニット」とは限らなくなってきたのです。そこで、業態を問わず統一して使える中立的な用語として「ユニット」が用いられるようになりました。

    ユニットの種類と捉え方

    ユニットという概念には、以下のような種類があります。

    1. シングルユニット(Single Unit)
    • 加盟者が1つのユニット(事業所/店舗)のみを所有・運営している形態。
    2. マルチユニット(Multi Unit)
    • 加盟者が複数のユニットを所有・運営するケース。
    • 例:1人の加盟者が3つのハウスクリーニング拠点を同時に運営。
    3. エリアユニット(Area Development)
    • 一定の地域内で複数のユニット展開を許可された加盟者。
    • 数年内に複数ユニットを順次開業する契約を伴う。

    「店舗数」との違い

    用語意味
    店舗数実際に物理的な“お店”があることが前提。飲食店・小売店などに適用。
    ユニット数店舗の有無に関係なく、加盟契約を結び営業活動を行っている単位を指す。

    たとえば、1つの拠点でハウスクリーニング、訪問マッサージ、宅配飲食を運営している場合、1店舗=3ユニットというカウントになる可能性もあります。
    逆に、1人の事業者が2つの異なるエリアで同じフランチャイズを展開している場合は、2ユニットとカウントされます。

    なぜ「ユニット」概念が重要なのか?

    • フランチャイズ本部の成長指標になる
       → 加盟店の「広がり」や「多角展開」の実態を正確に把握するため
    • 業態の変化に対応できる
       → 実店舗の有無に関わらず、ビジネスの実体を表現できる
    • 国際標準に沿っている
       → 海外では「unit count」が主流で、国際比較にも適している

    まとめ

    「ユニット」は、現代の多様化したフランチャイズ業態において、より汎用性が高く、公平な計数方法です。
    これからフランチャイズへの加盟や本部設立を検討するうえで、「店舗数」だけでなく、「ユニット数」の概念を理解しておくことは、ビジネスモデル全体の把握に非常に役立ちます。

  • 優越的地位の濫用

    優越的地位の濫用とは、取引において立場の強い事業者が、その優位性を利用して取引相手に不当な不利益を与える行為のことを指します。
    フランチャイズにおいては、フランチャイズ本部が加盟店に対して一方的に不利な条件を押しつける場合などが該当します。

    このような行為は、公正取引委員会が独占禁止法上の「不公正な取引方法」として禁止しており、違反すれば行政指導や排除措置命令の対象となる可能性があります。

    フランチャイズで問題視される例

    公正取引委員会が示す「フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方(ガイドライン)」では、優越的地位の濫用に該当する可能性がある行為を以下のように示しています。

    取引先の不当な制限

    本部が正当な理由なく、加盟店に対して仕入れ先や外注先(清掃業者、修理業者など)を指定し、他の取引先との取引を妨げる行為。

    例:加盟店が独自に安価な業者を選定しようとしたが、本部が強制的に高額な指定業者を利用させる。

    過剰な仕入れの強要

    販売見込みを大幅に上回る商品や原材料を仕入れさせる行為。

    例:季節商品を過剰に発注させられ、大量の在庫や廃棄を抱える事態となる。

    見切り販売の不当な制限

    賞味期限間近の商品などを値引きして販売することを不当に制限し、結果的に廃棄ロスを加盟店に負担させる行為。

    例:ブランドイメージを理由に見切り販売を禁じる一方で、ロイヤルティは廃棄分も含めた総粗利ベースで計算されている。

    優越的地位の判断基準

    「優越的地位があるかどうか」は、事業規模の大小だけではなく、実際の取引関係から以下のような要素を総合的に判断されます。

    • 加盟店が取引を断れない事情があるか
    • 代替となる取引先が存在するかどうか
    • 加盟店の経営が本部に大きく依存しているか
    • 契約内容が一方的で、交渉の余地がなかったか

    本部・加盟店双方が取るべき対策

    フランチャイズ本部側の対策

    • 契約条件の一方的変更を避ける
    • 加盟店の声を定期的にヒアリングする仕組みを整える
    • 商品・サービス提供の理由や背景を明確にする

    加盟店側の対策

    • 契約前に開示書面や契約内容をよく読み、必要に応じて専門家に相談する
    • 納得できない条件には署名をしない
    • 契約後も改善を求める交渉の余地を確保する

    まとめ

    優越的地位の濫用は、単なる不公平ではなく、独占禁止法違反という重大な問題に発展する可能性があります。
    フランチャイズ本部と加盟店の信頼関係を維持するためにも、両者が対等な立場で話し合い、健全な契約・運営を行うことが求められます。

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