6.法定開示書面

法定開示書面

法定開示書面とは中小小売商業振興法によって定められている、フランチャイズの事業概要などを加盟希望者に対して事前に開示する書面のことです。

内容としてはフランチャイズ契約書の内容を加盟者に対してわかり易くしたものになっています。

特定の業種(小売、飲食のフランチャイズチェーン)においてはこれが義務付けられており、フランチャイズ加盟を検討している方に対して事業概要や契約内容、その他の情報を書面によって事前に開示して説明する義務があります。情報開示書面という事もあります。

現在では独占禁止法のガイドラインの観点から、上記の特定業種以外でも開示書面を持ち、加盟希望店に説明するフランチャイズ本部が一般的となってきています。

平成14年4月に追加・拡充された後、現在開示すべき項目は合計22項目となりました。

開示項目一覧

  • 本部事業者の名称・住所・従業員数・役員の役職名及び氏名
  • 本部事業者の資本金・主要株主・他の事業の種類
  • 子会社の名称及び事業の種類
  • 本部事業者の直近3事業年度の賃借対照表及び損益計算書
  • FC事業の開始時期
  • 直近の3事業年度における加盟者の店舗の数の推移
  • 直近の5事業年度において、FC契約に関する訴訟の件数
  • 営業時間・営業日及び休業日
  • 本部事業者が加盟者の店舗の周辺の地域に同一又は類似の店舗を営業又は他人に営業させる旨の規定の有無及びその内容
  • 契約終了後、他のFC事業への加盟禁止、類似事業への就業制限その他加盟者が営業禁止又は制限される規定の有無及びその内容
  • 契約期間中・契約終了後、当該FC業について知り得た情報の開示を禁止又は制限する規定の有無及びその内容
  • 加盟者から定期的に徴収する金銭に関する事項
  • 加盟者から定期的に売上金の全部又は一部を送金させる場合はその時期及び方法
  • 加盟者に対する金銭の貸付け又は貸付の斡旋を行う場合は、それに係る利率又は算定方法及びその他の条件
  • 加盟者との一定期間の取引より生ずる債権債務の相殺によって発生する残額の全部又は一部に対して利率を附する場合は、利息に係る利率又は算定方法その他条件
  • 加盟者に対する特別義務
  • 契約に違反した場合に生じる金銭の支払いその他義務の内容
  • 加盟に際し徴収する金銭に関する事項
  • 加盟者に対する商品の販売条件に関する事項
  • 経営指導に関する事項
  • 使用される商標、商号その他の表示
  • 契約の期間並びに契約の更新及び解除に関する事項

開示書面のチェックポイント

○ 加盟店のサポートや援助に関する項目

フランチャイズ契約では、加盟店は本部から継続的なサポートが受けられることが通常です。

内容としては本部社員(スーパーバイザー)が1カ月にどれくらいの頻度で巡回にくるのか、また具体的にどういったサポート、指導、運営のアドバイスなどを本部から受けることが出来るのかなどを把握しておくのがポイントとなります。

競業避止義務に関する項目

競業避止義務は契約期間中と、契約終了後の一定期間適用されるものがあります。この義務が定められる目的は、本部の持つノウハウの保護と、フランチャイズの商圏の維持の2つが主です。

しかしながら、加盟者の営業の自由を脅かすような内容であってはならないため、合理的な内容となっているかを確認しましょう。

ロイヤルティに関する項目

フランチャイズ本部のノウハウや商標を使用することに対する対価で、基本的には毎月加盟者が本部へ支払うのが一般的です。

ロイヤルティの形式は大きく分けて2つあり、毎月の売り上げに対する割合で算出する方法と、固定額を毎月支払う方法と、フランチャイズ本部により様々あるので確認しておきましょう。

売上に対する割合で支払う場合、対象となるのは売上総利益なのか営業利益なのかはフランチャイズ本部により異なるので確認しておきましょう。

フランチャイズ本部の財務状況の項目

一般的に企業の財務状況を判断するには成長率、収益性、生産性、安全性の4つのポイントから総合的に判断します。事業経過年数により、それぞれのポイントの判断基準は異なるため、下記に記載するフランチャイズの成長段階表を参考にしながら総合的に判断するようにしましょう。

フランチャイザーの成長段階のステージ別区分

成長段階のステージフランチャイジー数
シードステージ期5店以下
アーリーステージ期20店以下
ミドルステージ期80店以下
レイターステージ前期80~300店
レイターステージ中期300~500店
レイターステージ後期500店以上

成長率

売上高や店舗出店数が毎年プラスとなっている状態が望ましく、シードステージに近いフランチャイズ本部ほど、急成長してこの部分が良好になる傾向にあります。

収益性

売上に対する営業利益率や売上総利益率、総資本に対する経常利益率が該当します。特に総資本に対する経常利益率は、そのフランチャイズ本部の経営成績が一番把握しやすい数値となります。

生産性

売上高を坪や従業員単位で算出します。シードステージからアーリーステージではこの値が良好になる傾向にあります。理由としては従業員数が少なく、優良店舗が多い傾向にある為です。

安全性

フランチャイズ本部の資金運用状況を判断する上で、主に以下の点を確認します。

  • 自己資本率
  • 流動比率
  • 固定長期適合率

固定長期適合率とは、固定資産、自己資本、固定負債の合計からそれぞれの割合を示す数値です。固定資産が安定して運用されているか、財務状況が正常であるかの判断をするうえで最も重要な指標となります。

直近5年間のフランチャイズ契約に関する訴訟数

フランチャイザーとフランチャイジーの関係性を判断することができます。訴訟があるからと良くない本部とはらないので、どういった内容の訴訟なのか、きちんと説明受けるようにしましょう。

テリトリー権について

テリトリー権とは、既に出店している加盟店の商圏内に後発の加盟店が出店することができないという契約です。もしこの権利が認められている場合には、自分の出店予定エリアに既に出店している加盟店、または今後出店予定の加盟店があるかを確認する必要があります。

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