12.開業後のポイント
フランチャイズで起業することがゴールではありません。開店の数週間前などはオープン準備で寝る間も惜しんで徹夜で準備をされるオーナーさんもいます。
まずは、ビジネスを軌道に乗せるまでを目標に責任者としての責務を果たしましょう。
目次
フランチャイジーの役割と責任
フランチャイズで起業をしても、あなたは独立している会社のオーナーであり、経営者として経営責任があります。下記に挙げるポイントを押さえておきましょう。
経営管理
予算、目標、売上高、経費、利益実績、などの分析、方策を行い実行していきます。本部から過去の実績や分析データなどを参考に計画的に管理しましょう。
店舗運営
フランチャイズとしてブランドイメージに合った営業方法やサービスの提供に努めましょう。また、本部からは適正な人員配置と業務効率を求められますので、効率的な無駄のない運営を検討していきましょう。
販促活動
本部と相談しながら自店舗にあった販促手法を検討しましょう。本部提供の商品、サービス、広告はフランチャイズならではの特権であるので、最大限に活用し集客していくようにしましょう。
投資について
ビジネスを成功させる上では、ある程度のリスクを負うシーンは出てきます。そのリスクは先行投資であるという意識を持ち取り組んでいくことが大切です。
人材の教育
一度に多くの人を採用すると、一度に新人教育を行う必要があるので大変です。まずは数人を採用し、彼らをしっかりと育成して、ゆくゆくはマネージメント的なポジションを任せることのできる人材となることが理想的です。
本部との連動とコミュニケーション
自身のビジネスを成功させるためには、本部との連携も重要です。フランチャイジーの事業成功、安定化のために本部は日々努めています。加盟店は業績を上げることによって本部へ貢献することが出来ます。このwinwinな関係をお互いに持つことがお互いのビジネス成功のカギとなります。
スーパーバイザーについて
加盟店に経営のアドバイスをしてくれる人のことです。また、現場が日々感じているお客様の動向や、商品、サービスの売れ行き、不満、要望などをヒアリングし、本部に持ち帰り、キャンペーンの検討や改善策を図るなど、本部との橋渡しの役目を担っています。
加盟店はスーパーバイザーとの関係性を大切にし、有益な情報を共有してもらいましょう。フランチャイズ本部毎にスーパーバイザーの訪問頻度は異なりますが、あまりにも訪問回数が少ないと良い関係性の構築は難しく疎遠になってしまうので気を付けてください。
フランチャイズ本部とのコミュニケーション
加盟店オーナーを対象とした情報交換の場として、オーナー会や交流会を定期的に行っているフランチャイズ本部もあります。こういった機会は本部からの意見とはまた違った視点からの話を聞くことが出来ます。積極的に参加し、本部の経営方針や経営戦略に関しても理解も深め、事業の向上へ反映させましょう。
FCのノウハウを活用する
データの活用
本部には全国のフランチャイズ店の様々な情報が集まっています。そのデータを共有してもらい、自店と比較しながら経営戦略に活用しましょう。
特に売り上げや利益の推移に関しては自店の状況把握のツールにもなります。
本部マニュアル
フランチャイズ事業を標準化するために必須な教育ツールです。今までのフランチャイズとしてノウハウが十分に詰まった資料となるので、開業後、問題点や困難に直面した際には、改めて読み返してみましょう。
内容に関して、実際に店舗を運用してみて、疑問点や改善点などが出てくるかもしれません。そういった場合にはスーパーバイザーに相談してみたり、オーナー会で他店舗の店長たちと意見交換することで、新たな運用方法を思いつくかもしれません。
契約の継続と終了
契約が終了するタイミングとしては契約期間の満了、いずれかの責務不履行による解除、フランチャイズ契約の中で定められた解除事由による解除(約定解除)、両当事者による合意による契約の終了などがあります。
契約期間の満了
3年契約、5年契約、長いものでは10年契約などがあり、標準的な期限は特にありません。
フランチャイズ本部が契約期間を設定する場合、加盟店が初期投資額を十分に回収できるだけの期間を設定するのが通常です。
現在の国内でのフランチャイズ契約では5年契約が一番多い様です。
法定解除、約定解除
本部または加盟店のいずれかに責務不履行があった場合、もう一方は民法に基づき契約を解除することができます。
責務不履行の事由に関しては、フランチャイズ契約をする際の契約書に通常全て記載されているので、本部は加盟店の責務不履行についてはその契約書に戻付き契約を解除することが出来ます。
また、場合によっては契約期間中でも申請によって解除できる場合もありますが、途中解約には高い違約金を支払う必要があったり、リース設備の残金支払いがあったり、物件の途中解約によるペナルティーなども発生し、多くの資金が必要になるため注意しましょう。
合意解約
本部、加盟店双方が合意する場合、契約を解除することが出来ます。その場合は、契約解除における合意書を作成することをオススメします。
トラブルの現状と回避のための基礎知識
契約締結時のトラブル
フランチャイズ契約をするにおいて、本部が売り上げ予測を立てて、加盟者に提示することがあります。あくまで予測なので、そのまま鵜呑みにする必要はありません。また、加盟者は独立した事業者でもあるので、それが達成ノルマでもありませんので安心してください。
しかし、明らかに合理性のない予測を加盟者に提示し、契約締結の判断を極端に誤らせる情報として提供したと判断された場合は、本部は情報提供義務違反となります。
加盟金変換に関するトラブル
多くのフランチャイズ契約では「一度支払われた加盟金はいかなる理由があっても加盟店に返還されない」という決まりになっています。(加盟金不返還特約)。一度契約を締結すれば、本部は加盟店に対して、商標の使用許可、研修、ノウハウの提供などを行うため、加盟金の対価性は満たされるため、上記の特約は妥当とも言えます。
近年、特定のエリアエントリー契約という、「特定のエリアで出店するための営業権」を付与するフランチャイズ本部が出てきています。
店舗物件が確定する前に締結できる契約のため、結果的にそのエリアに出店できなかったというトラブルが発生しています。
エリアエントリー契約の場合は、きちんと出店できる物件の目星をつけておきつつ、出店できないリスクも考慮したうえで契約を結ぶようにしましょう。
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